夢
ひとり、またひとりと仲間が京都を去る。
先に社会に旅立って行く。
先に社会に旅立った先輩と、今、旅立とうとする同期と酒を飲んだ。
先輩の姿に夢を見て、過去の夢を笑い飛ばす。
「夢を持て」
嫌いな言葉だった。
聞くたびに、今の自分に「これが夢です。」と胸を張って言えることがあるのかと、自責の念に駆られた。
今、思う。
夢ってそんなデカいことじゃなくていいんだ。
叶わぬ夢を責める必要もない。
儚く散った夢を笑い飛ばせる、仲間がいる。
儚く散った夢を笑いながら飲んだ酒を、次の夢を追う力にすればいい。
叶うかなぁ。叶えなきゃ。
叶わなくても笑えばいい。
かき分けてかき分けて、進む。